平成11年1月22日

英語版DR-DOSのDOS/V環境の作成について
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 今回は英語のDOS(PC/AT互換機)「DR-DOS」の日本語化を行い、今となっては懐かしい日本語版「MS-Windows3.1」をインストールした環境の構築等を行いました。

 1 DOSの国、言語、文字による分類 DOSには使用する国、文字により半角のアルファベット、英数字のみの1バイト文字を使用している 文字等2バイト文字のアルファベット以外の国等に分けられる。DOSに限らずOS、各種ソフト等もアメリカにて最初に販売し、アルファベット圏の国ごとにメニュ−の言葉やエラ−メッセ−ジが直され、その次に非アルファベット圏の2バイト文字が扱える様にして日本語版等の各国版が作られている。 (世界的に有名なソフトの場合)

2 1バイト・2バイトの文字
  1バイトの文字はワ−プロソフト等で言う「半角」だけで1文字表示してアルファベット圏では「英数」が使用されています。ワ−プロソフトでは「半角英数」と呼ばれています。半角を2つ分使い、表示する文字を2バイトと言います。2バイトの文字は、日本語ではひらがな、カタカナ、漢字、アルファベット等があります。ワ−プロソフトの入力する文字の種類と思えば良いと思います。「半角カタカナ」は?と思う人がいるかもしれませんが、パソコン上では文字の字体(フォント又はキャラクタ−)を数字で扱っています。字体と字体を表す数字を決めて字 体を扱う決められた数字をコ−ドと呼びます。「半角カタカナ」は1バイト上に日本語の文字コ−ドでカタカナを表示すると「半角カタカナ」 になります。
  英語版のDOSを日本語化するには、2バイトの文字を扱えるようにして 日本語の文字コードを使用できるようにするということです。

3 日本語版のDOS
  日本語版のDOSは大きく分けるとIBM社のパソ
 コンに互換の PC/AT互換機版と、PC/AT互換機 ではないパソコン版に分けられます。PC/AT互換 機版では、漢字ROMを搭載していたPC/AT互換機 のAXパソコンがありましたが、ソフト上で日本 語処理が可能になり、DOS/Vの登場と共に現在の標準パソコンとも言えるPC/AT互換機のDOS/V と呼ばれる日本語版DOSに移行しています。PC/AT互換機ではないパソコン用のDOSでは、NEC PC-9800シリーズに移植されたDOSが代表的な存在でした。パソコンでDOSをさわった事がある人は、NEC PC-9800シリーズ用のDOSを触っていたと思 います。

4 DOS/Vとは
  日本語は英語とは違い、「ひらがな」「カタカナ」「漢字」といった文字を使います。その数は数千にも及び、アルファベットの数と違い比較になりません。従来の方法では、パソコン上で漢字を使うために、「漢字ROM」という漢字のデータが記憶された読み出し専用のメモリを搭載しハードウェア的に日本語を扱えるようにしていました。その代表的なパソコンがNEC PC-9800シリーズやAXパソコン(IBM PC/AT互換機)等が販売されていました。
  ところが1990年になるとパソコンの処理能力も向上し、IBM社がPC DOSの日本語版「PC DOS J4.0/V」を発売、「漢字ROM」に頼らなくてもソフト的に日本語を扱える、「IBM PC/AT互換機のVGA上で動く日本語DOS」DOS/Vが登場しました。その後、マイクロソフト社も1991年「MS-DOS 5.0/V」を発売、同年「Wi ndows3.0」も発売され、PC/AT互換機とDOS/Vという日本語化されたDOSの普及が始まりました。PC/AT互 換機全盛の現在では、DOS/Vの日本語表示の仕組みが標準になり現在に至っています。
  なお、IBMは日本語版を発売後、韓国語版、中国語版を同じ仕組みで発表しています。

5 DOS/Vの動作環境とモード
  DOS/Vには、日本語処理を行うために必要なドライバ、ユーティリティを組み込んだ日本語環境とドライバ、ユーティリティを組み込 まず米国版DOSとの互換性を保つ英語環境の2つの動作環境があります。 (ドライバ無し)
  日本語環境には、日本語処理を行う日本語モードと英語モードがあります。プロンプトの表図4 DOS/Vの動作環境とモード示が日本語モードは円記号、バックスラッシュと変わります。

6 DOS/Vに必要なもの
  英語版のDOS自体にマルチバイリンガル機能(多国言語対応機能)に対応した作りになっている事が必要です。
 DOSのバ−ジョンによりできないDOSもあります。1バイトの英数表示のDOS環境を2バイトの日本語も表示できるDOS/V環境にするには、ドライバを組み込み(記述)やファイルを準備しなければいけません。ドライバやファイルは、@日本語フォントをサポートするフォントドライバ、A日本語表示をサポートするディスプレイドライバ、B日本語の字体のフォントファイル、C日本語キーボードの配列を選択するキーボードドライバ、D拡張国別情報をサポートし国別情報を設定をします。

CONFIG.SYSの記述

 DOS=HIGH,UMB
 DOSDATA=UMB
DCOUNTRY=081,932,C:\DOS\COUNTRY.SYS
 SHELL=C:\DOS\COMMAND.COM /P /E:512 /H
 DEVICE=C:\DOS\HIMEM.SYS
 DEVICE=C:\DOS\EMM386.EXE RAM
@DEVICEHIGH=C:\DOS\$FONT.SYS
 DEVICEHIGH=C:\DOS\SETVER.EXE
ADEVICEHIGH=C:\DOS\$DISP.SYS
 DEVICEHIGH=C:\DOS\$IAS.SYS
 DEVICEHIGH=C:\DOS\ANSI.SYS /X
 rem DEVICEHIGH=C:\DOS\RAMDRIVE.SYS
 INSTALL=C:\DOS\IBMMKKV.EXE /M=S /Z=4 /C /L /J=90 /S=C:\DOS\MULTDICT.PRO /U=C:\$USRDICT.DCT
 DEVICEHIGH=C:\DOS\POWER.EXE

AUTOEXEC.BATの記述
 @ECHO OFF
 SET COMSPEC=C:\DOS\COMMAND.COM
 PROMPT $P$G
 PATH C:\DOS;
 SET TEMP=C:\DOS
CLH C:\DOS\KEYB.COM JP,932,C:\DOS\KEYBOARD.SYS
 VER
 LH C:\DOS\MOUSE.COM
 LH C:\DOS\DOSKEY.COM
 C:\DOS\DOSSHELL.COM

     図5 CONFIG.SYSとAUTOEXEC.BATの記述(PC DOS)

7 DOS/V用ドライバと互換ドライバ等
  代表的なDOS/V用のドライバ等のファイルと今回使用した互換ドライバ等は表6のとおりです。互換ドライバはフリ−ソフトでフォントファイルは所有のOS用フォントから変換しました。

8 DR-DOSとは
  Caldera DR-DOSとは、Caldera Inc.が提供しているPC/AT互換機用MS-DOS互換OSで、「CP/M」を開発したアメリカの「Digital Research社」が開発、合併により「Novell Inc」へ移りその後「Caldera Inc」へ移り、「評価または非営利目的であれば無料で入手・使用できMS-DOS互換DOS」として現在に至っている。
  特徴としては、MS-DOSと互換性が高い(PC/AT互換機版、英語版)、マルチタスク、ネットワーク機能 標準搭載(NetWare)、Windows95/98と共存可能、ベータ版ながらロングファイルネーム対応、インター ネットから無料でダウンロード可能などがあげられる。

9 DOS/V化したDR-DOS
 DR-DOSはバ−ジョン6.0の時に多国言語対応しています。  1バイトの英数表示のDOS環境を2バイトの日本語も表示するDOS /V環境にするためにドライバを組み込んだ状態が図8です。@日本語フォントをサポートするフォントドライバ、A日本語表示をサポートするディスプレイドライバ、B日本語の字体のフォントファイル、C日本語キーボードの配列を選択するキーボードドライバ、D拡張国別情報をサポートし国別情報を設定をします。この設定ではマルチタスクで、文字化けしますがロングファイルネ−ムサポ−トの記述です。図9は、DIRコマンドを実行させロングフ ァイルネ−ムが表示しています。DIR/Wコマンドを実行したのが図10です。「:」で区切られている表示がCP/MというOSからきているのでCP/M風の表示といわれています。懐かしい人もいるのではないかと思います。

CONFIG.SYS
 BREAK=OFF
 BUFFERS=30
 FILES=30
 LASTDRIVE=Z
 FCBS=4,4
 HISTORY=ON,512,ON
 DOS=HIGH,UMB
DCOUNTRY=81,932,C:\DRDOS\COUNTRY.SYS
 DEVICE=C:\DRDOS\EMM386.EXE DPMI MULTI VERBOSE
 DEVICE=C:\DRDOS\DPMS.EXE
 DEVICEHIGH=C:\DRDOS\SETVER.EXE
@DEVICEHIGH=C:\Dosvk\$FONTX.SYS /P=C:\Dosvk\
ADEVICEHIGH=C:\Dosvk\DISPV.EXE
 REM Your CD-ROM DEVICE DEVICEHIGH=C:\Dosvk\Oakcdrom.sys /D:CD001
 DEVICEHIGH=C:\DRDOS\ANSI.SYS
 INSTALLHIGH=C:\DRDOS\NLSFUNC.EXE
 SHELL=C:\COMMAND.COM C:\ /E:512 /P

AUTOEXEC.BAT
 @ECHO OFF
 PROMPT [DR-DOS] $P$G
 PATH C:\Dosvk;C:\DRDOS
 REM PATH C:\WINDOWS
 SET DRDOSCFG=C:\DRDOS
 SHARE /L:20
 REM Your CD-ROM LH NWCDEX /D:CD001 /L:Q
CLH JIS_A01
 LH RCHEV /V
 LONGNAME /I
 TASKMGR

図8 DOS/V化したCONFIG.SYSとAUTOEXEC.BAT
 

  図11はWindows3.1上でMS-DOSプロンプトでWindows3.1というOSはファイルシステムをDOSに依存して いるのが解る表示です。図13はDR-DOS7.02をDOS/V化して日本語版MS-Windows3.1をインスト−ルした パソコンの画面です。

10 今回の実験について
   日本国内では、過去にNEC PC-9800シリ−ズが普及していた悪影響で、「DOS」と言えば連想するの  が「PC-9800シリ−ズ」を連想する人がいると思います。それは誤りでNEC PC-9800シリ−ズ版のDOSは異機種に移植したDOS、オリジナルのDOSは「PC/AT互換機」の英語版DOSを連想してほしいと思います。また、Windows95/98になっても「MS-DOSプロンプト」「MS-DOSモ−ド」等、過去のDOSは生きています。昨年は、コマンドラインが使えるようにと各出版社からWindows95時代のDOSのようなタイトルで本が出版されて、DOSのコマンドライン、日本語表示の知識が技量の向上につながると見直されています。
   このDR-DOSは半年前からDOS/V化の資料集め、実験を始め、途中に中断、やっとDOS/V化の実験が再開して今月になりました。レベルアップに繋がればと思います。

1999年1月22日  兵ちゃん